読み物の一覧 · 重要操作
削除の実行
データやアカウントの削除は、取り消せない操作です。削除を求めたのが本人か、何を消したかを、署名の記録として残す方法をまとめます。
起きること
削除は、実行したら戻せません。バックアップから戻せる場合でも、戻すまでのあいだにサービスは止まり、戻せない部分も残ります。
- 盗まれたセッションから、アカウントやデータが消されます。嫌がらせや、痕跡を消すためです。
- 本人を装った削除の依頼で、他人のデータが消されます。
- 削除の依頼が本人からだったことを、あとで示せません。
問われること
削除は、多くの法域で本人の権利として定められています。同時に、依頼してきたのが本人かを確かめることも、手続の一部として扱われています。
| 法域 | 削除の求め | 本人であることの確認 |
|---|---|---|
| JP | 一定の場合に、本人は保有個人データの利用停止や消去を求められます1。 | 求めを受け付ける方法を定められ1、その方法には本人であることの確認の方法を含められます2。 |
| EEA | 本人は、一定の場合に消去を求められます3。 | 依頼者が本人か合理的な疑いがあるときは、確かめるための情報を求められます3。 |
| UK | 同じ規定を、英国の規則が引き継いでいます4。 | 同じ |
| US | カリフォルニア州では、消費者は事業者に削除を求められます5。 | 事業者は、本人であることを確かめられる求めに応じます5。 |
残す記録
削除の依頼を、本人の Passkey の署名で確定します。署名の対象(ハッシュ)に、次を含めます。
- 消す対象(アカウントの識別子、データの範囲)
- 消し方(すぐに消す、期限を置いて消す)
- 依頼の番号
"payload": {
"purpose": "generic.sign",
"message_digest": "<対象・範囲・消し方・依頼番号の SHA-256>",
"display_hint": "アカウントの削除"
}
署名の記録は、削除を実行したあとも、削除を示すのに要る範囲で残します。削除の記録そのものも個人データになりうるので、残す項目を最小限にし、残す期間を決めておきます。
管理者が他人のデータを消すときは、管理者の署名で確定します。誰の求めで、誰が消したかが分かれます。
署名だけでは足りないこと
- 署名が示すのは、削除を求めたことです。データが実際に消えたことは示しません。バックアップや連携先からの削除は、別に記録します。
- 本人が Passkey を失っている場合の削除の求めは、回復の手続と同じ重さで扱います(Passkey の追加と回復)。
- 消してはいけないデータ(法令で保存が求められる記録など)の判定は、自社のサービスが行います。
次の一手
出典
- 個人情報の保護に関する法律 第35条・第37条 · 確かめた日 2026-10-10
- 個人情報の保護に関する法律施行令 第12条 · 確かめた日 2026-10-10
- Regulation (EU) 2016/679(GDPR)第12条第6項・第17条 · 確かめた日 2026-10-10
- UK GDPR 第17条 · 確かめた日 2026-10-10
- California Civil Code §1798.105 · 確かめた日 2026-10-10
奥付
- 版
- 第 1 版
- 公開
- 2026-10-12
- 署名
- 夏目.凛 · Passkey · 2026-10-12 05:00 JST · 署名ファイル · 原稿
- 刻印
- sha256 UmrXphdNiQ0CQljQyCIY754Q-pV3BZ581h-AOH_lWS8
- 発行
- DeepDive, Inc.
署名が示すのは、この版に責任を持つ人と、署名のあとに原稿が改められていないことです。内容が正しいことは示しません。
法的助言ではありません。適用は、事実と管轄によって変わります。