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Passkey の追加と回復

新しい Passkey を足す操作と、アカウントを取り戻す操作は、乗っ取りの入口になります。どこで止め、何を記録に残すかをまとめます。

起きること

Passkey は、偽のサイトでは使えません。だから攻撃は、Passkey そのものではなく、Passkey を増やす操作と、失ったときに取り戻す操作に向かいます。

  • 盗まれたセッションから、攻撃者の端末の Passkey が足されます。それからは攻撃者も、正規の Passkey で署名できます。
  • サポートの窓口に本人を装って電話をかけ、パスワードの再設定や認証手段の付け替えを頼みます2。
  • 携帯電話の番号を自分の SIM に移させ、SMS で届く確認を受け取ります2。
  • 回復のあと、それまでの連携や同意が、そのまま新しい端末に引き継がれます。

決めること

Passkey の追加と回復は、法令よりも、認証の指針が具体的に定めています。

操作指針が求めること
Passkey を足す新しい認証手段を足す前に、そのアカウントでいま使える最も強い手段で認証させます1。
回復する回復の手段は、保存した回復コード、発行した回復コード、回復の連絡先、身元確認のやり直しから選びます1。
回復したあと回復したことを、必ず本人に知らせます1。

そのうえで、自社のサービスで次を決めます。

  • 窓口がパスワードや一時コードを発行する経路を、作らないか、作るなら誰が承認するか。
  • 回復のあと、連携先への同意をもう一度求めるか。Clavis では、回復や Passkey の付け替えのあと、連携先へのサインインに同意をもう一度求めます。
  • 同期される Passkey(複数の端末で使える Passkey)を受け入れるか。認証器は、バックアップの対象になりうるかどうかを知らせます3。

残す記録

Passkey の追加は、すでにある Passkey の署名で確定します。署名の対象(ハッシュ)に、次を含めます。

  • 足す Passkey の識別子
  • 足す理由(端末の追加、買い替えなど)
  • 依頼の番号
"payload": {
  "purpose": "generic.sign",
  "message_digest": "<足す Passkey の識別子・理由・依頼番号の SHA-256>",
  "display_hint": "Passkey の追加"
}

回復は、すでにある Passkey が使えない場面なので、署名で確定できません。回復を使った時刻、使った手段、そのあとに足した Passkey、もう一度求めた同意を、記録として残します。

署名だけでは足りないこと

  • 窓口の人がだまされることは、製品だけでは防げません。窓口の手順と、例外を誰が承認するかを決めておきます。
  • 端末そのものを奪われ、画面のロックも解かれた場合は、正規の Passkey で署名できてしまいます。端末の管理は別の仕組みで行います。
  • 回復の手段を一つも登録していない利用者は、端末を失うと戻れません。登録を求める場面を、自社で決めます。

次の一手

出典

  1. NIST SP 800-63B-4 Digital Identity Guidelines: Authentication and Authenticator Management(4.1.2.1、4.2) · 確かめた日 2026-10-10
  2. CISA Cybersecurity Advisory AA23-320A Scattered Spider · 確かめた日 2026-10-10
  3. W3C Web Authentication Level 3 · 確かめた日 2026-10-10

奥付

版
第 1 版
公開
2026-10-12
署名
夏目.凛 · Passkey · 2026-10-12 05:03 JST · 署名ファイル · 原稿
刻印
sha256 4Ry_kyAS9-WLXmMaQr71KOlFa1TuaVR8GnGpLu2Hpco
発行
DeepDive, Inc.

署名が示すのは、この版に責任を持つ人と、署名のあとに原稿が改められていないことです。内容が正しいことは示しません。