読み物の一覧 · 同意

第三者提供

個人データを他の事業者に渡すとき、日本の個人情報保護法は原則として本人の同意を求め、渡したことの記録も求めます。同意の記録と提供の記録をまとめます。

この局面

自社のサービスが、利用者の個人データを他の事業者に渡す場面です。提携先へのデータの連携、紹介元への成果の報告、共同のキャンペーンなどがあります。

同意が要る場合と要らない場合

日本では、個人データを第三者に渡すとき、原則として、あらかじめ本人の同意を得ます1。次の場合は、この同意が要りません。

  • 法令に基づく場合、人の生命や財産を守るために必要で同意を得るのが難しい場合など、条文に並べられた場合1
  • 委託、事業の承継、共同利用として渡す場合。このとき、受け取る側は「第三者」に当たりません1
  • あらかじめ本人に知らせ、個人情報保護委員会に届け出たうえで、本人の求めに応じて提供を止める仕組み(オプトアウト)による場合。要配慮個人情報などには使えません1

2026 年 7 月に公布された改正法は、統計の作成などにだけ使われる第三者提供について、本人の同意を要らなくする規定を置いています。施行は公布の日から 2 年を超えない範囲で、細かな定めは整備が続いています6。

外国にある第三者に渡すときは、別の条文がかかります(外国にある第三者への提供)。

提供したことの記録

日本では、同意を得ることとは別に、提供した側に、提供の記録を作って保存することが求められます。提供した年月日、受け取った第三者の名前などです1。保存の期間は、作り方によって 1 年または 3 年です2。何をどう記録するかは、ガイドラインにあります3。

同意の記録は「渡してよいと本人が言ったこと」を、提供の記録は「実際に渡したこと」を示します。片方だけでは、もう片方を示せません。

法域ごとの扱い

法域同意の記録中心になる仕組み
JP記録を取る候補本人の同意1と、提供の記録1,2
EEA取らない候補処理の根拠の一つとして同意を選ぶことはできます。同意に拠るなら、同意したことを示せるようにします4。契約の履行や正当な利益など、別の根拠に拠ることもあります4
UK取らない候補EEA と同じ形(UK GDPR)
US取らない候補カリフォルニア州では、個人情報の販売や共有について、消費者が止めるよう求められます(オプトアウト)5

記録に残すもの

  • 同意した人の識別子と、同意した日時
  • 渡す相手と、渡す個人データの項目
  • 同意の文面の版
  • 同意の取り下げがあれば、その日時

Clavis の署名で記録するときは、同意の文面の版のハッシュと、渡す相手と項目を、署名の対象(ハッシュ)に含めます。利用者は、どのプロダクトがどの操作を求めているかを読んでから署名します。

提供の記録は、自社のサービスが作ります。同意の署名の記録と、提供の記録を、同じ依頼の番号で結んでおくと、あとで二つをつなげて示せます。

次の一手

出典

  1. 個人情報の保護に関する法律 第27条・第29条 · 確かめた日 2026-10-10
  2. 個人情報の保護に関する法律施行規則 第21条 · 確かめた日 2026-10-10
  3. 個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(第三者提供時の確認・記録義務編) · 確かめた日 2026-10-10
  4. Regulation (EU) 2016/679(GDPR)第6条・第7条 · 確かめた日 2026-10-10
  5. California Civil Code §1798.120 · 確かめた日 2026-10-10
  6. 個人情報保護委員会 令和8年改正個人情報保護法の概要 · 確かめた日 2026-10-10

奥付

版
第 1 版
公開
2026-10-12
署名
夏目.凛 · Passkey · 2026-10-12 04:42 JST · 署名ファイル · 原稿
刻印
sha256 2_sWmYW8MuJcQq2yEr3sTGhkz-4sfXIHGtLFKv3DFkA
発行
DeepDive, Inc.

署名が示すのは、この版に責任を持つ人と、署名のあとに原稿が改められていないことです。内容が正しいことは示しません。

法的助言ではありません。適用は、事実と管轄によって変わります。