読み物の一覧 · 同意

規約の受諾

利用規約への同意は、個人情報の同意とは別のもので、契約を結んだことの記録です。どの版の規約に、誰が、いつ同意したかを残す方法をまとめます。

この局面

利用者がアカウントを作るとき、有料の機能を買うとき、規約が改まったときに、利用規約に同意してもらう場面です。

規約への同意は、契約を結ぶことです。個人情報の扱いへの同意とは、根拠も、求められる形も違います。二つを一つのチェックボックスにまとめると、どちらの記録としても弱くなります。

規約が契約の内容になる条件

日本では、多数の相手と同じ内容で結ぶ契約の条項(定型約款)について、民法が、個別の条項に合意したとみなす場合を定めています1。

  • 定型約款を契約の内容とする旨に合意したとき
  • 定型約款を用意した側が、あらかじめそれを契約の内容とする旨を相手に表示していたとき

相手の権利を制限したり義務を重くしたりする条項で、信義則に反して相手の利益を一方的に害するものは、合意しなかったものとみなされます1。

あとで問われるのは、どの版の規約が、どの時点で契約の内容になっていたかです。

法域ごとの扱い

法域受諾の記録中心になる仕組み
JP記録を取る候補定型約款の合意、または表示1
EEA記録を取る候補(契約の記録として)規約の受諾は、契約の成立の記録です。個人データの扱いは、契約の履行に要る範囲なら同意とは別の根拠に拠ります2。同意を求めるなら、規約とは分けて求めます2
UK記録を取る候補(契約の記録として)電子的な署名は、証拠として認められます4
US記録を取る候補電子的であることだけを理由に、契約の効力は否定されません3

記録に残すもの

  • 同意した人の識別子と、同意した日時
  • 同意した規約の版(文面のハッシュ)
  • 同意した画面(規約をどう見せたか)
  • 規約を改めたときは、改めた版への同意、または表示の記録

規約の本文は、版ごとに保存しておきます。URL だけを記録すると、ページが書き換わったあとで、どの版に同意したかが分からなくなります。

Clavis の署名で記録するときは、規約の版のハッシュを、署名の対象(ハッシュ)に含めます。利用者が同意した版と、手元に保存した版が同じであることを、あとから確かめられます。

次の一手

出典

  1. 民法 第548条の2 · 確かめた日 2026-10-10
  2. Regulation (EU) 2016/679(GDPR)第6条第1項(b)・第7条第2項 · 確かめた日 2026-10-10
  3. 15 U.S.C. §7001(ESIGN) · 確かめた日 2026-10-10
  4. Electronic Communications Act 2000 第7条 · 確かめた日 2026-10-10

奥付

版
第 1 版
公開
2026-10-12
署名
夏目.凛 · Passkey · 2026-10-12 04:41 JST · 署名ファイル · 原稿
刻印
sha256 AtzP3427h24OPAUm186943gZRyCOZNdN77WcxZpY3RI
発行
DeepDive, Inc.

署名が示すのは、この版に責任を持つ人と、署名のあとに原稿が改められていないことです。内容が正しいことは示しません。

法的助言ではありません。適用は、事実と管轄によって変わります。