読み物の一覧 · 論考
刻印について
Clavis の刻印は、署名した内容のハッシュから一つずつ描く印です。何のための印で、何に使ってはいけないのかをまとめます。
目で違いに気づくために
署名した内容は、SHA-256 のハッシュ(32 バイト)として記録に残ります。機械にとっては確かめやすい値ですが、人にとっては見比べにくい値です。43 文字の英数字を二つ並べて、一文字の違いに気づける人は多くありません。
刻印は、そのハッシュから描く印です。同じ内容からは同じ印が、一文字でも違えば別の印が描かれます。違いは、文字を読む前に形で見えます。
同じ操作には同じ刻印
刻印は、ハッシュだけから決まります。だから、依頼元のサービスの画面でも、署名を確かめる画面でも、署名履歴でも、検証の画面でも、同じ操作には同じ刻印が付きます。小さく表示するときは線を間引きますが、帯の並びと輪郭は変わりません。
刻むときの動きも、ハッシュで決まります。線ごとにハッシュの 1 バイトを角度に読み、そこから彫り始めます。
刻印の読み方
刻印は、外から内へ、いつも同じ並びで描きます。
- 縁 — ハッシュそのものを細かな文字で一周させ、硬貨の縁のような刻みを付けます。
- 網 — 位相をずらした波を束ねた帯です。
- 地紋 — 半径をずらした波線を重ねた帯で、紙幣の細線に近いものです。
- 花 — 中心を囲む曲線です。
- 見当 — 中心の十字。版の芯です。
色は、記録の状態を表します。署名を待っているものは書いた直後のインクのような青、署名が済んだものは定着した黒、内容が合わないものは錆の色で、線が途切れます。
刻印は証明ではない
刻印は、人が違いに気づくための補助です。署名が正しいかどうかは、署名の検証が決めます。
見た目の似た刻印は、探せば作れます。刻印が同じに見えることを、検証の代わりにしないでください。刻印が違って見えたら、そこで止まって確かめてください。刻印の仕事は、そこまでです。
Clavis のマークも刻印の一つ
Clavis のマークは、私たちの約束の一文を SHA-256 にかけて刻んだ印です。
Clavis は Passkey の署名で、誰が・何に・いつ同意したかを再検証できる記録を、プロダクトに埋め込みます。
マークを選んだのではなく、約束を選びました。約束が変われば、マークも変わります。
規則の公開
ハッシュから刻印を描く規則は公開しています。誰でも同じ刻印を描けます。仕様と試験用の値は 刻印の規則 にあります。
Clavis の名前を外して提供するときも、刻印の規則は変わりません。表札が替わっても、同じ操作には同じ刻印が届きます。
奥付
- 版
- 第 1 版
- 公開
- 2026-10-12
- 署名
- 夏目.凛 · Passkey · 2026-10-12 02:55 JST · 署名ファイル · 原稿
- 刻印
- sha256 3_95HGjiaFhVUEYU7FEq3xYb1vk6p8quGb5QhjYcc9Q
- 発行
- DeepDive, Inc.
署名が示すのは、この版に責任を持つ人と、署名のあとに原稿が改められていないことです。内容が正しいことは示しません。